不動産を売却する上で,必ず発生してくるのが『媒介契約』ですが,こんな疑問ありませんか?
『結局、どの媒介契約が一番いいの?』
結論から伝えると、このようになります。
専属専任媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件と比べて”価値が低いと”感じる場合
専任媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件と比べて”同レベルの価値があると”感じる場合
一般媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件とよりも”確実に価値があると”感じる場合
この結論は、不動産業者として500件を超える私が”不動産の所有者ならこの媒介を選ぶ”という観点でのものです。
実際に私は、不動産屋として様々な売却のお手伝いをさせてもらっています。
その経験から、解説していくので”これから不動産を売却しようと思っているあなた”に必ず役立つ内容になっています。
とはいえ、売却方法は所有者の事情や不動産の価値によって変わるので”この状況だったら○○媒介”という形式で伝えていきます。
もちろん、それぞれには理由があります。5つに分けて解説していくので、不動産売却の参考にしてください。
1.レインズへの登録
2.囲い込みのリスク
3.報告義務
4.価格についての戦略
5.ポータルサイトへの掲載
ちなみに前提にある”媒介契約の種類”を知らないのであれば、先に下記記事を御覧ください。
【不動産を売る】絶対知っておくべき!3種類ある媒介契約の全体像
専属専任媒介契約を選ぶ場合
まず1つ目は、専属専任媒介契約で不動産売却を依頼する場合をお伝えします。
それは、自分の不動産が他の物件と比べて”価値が低いと”感じる場合です。
価値が低い土地の特徴
- 変形地
- 高低差が2mを超える
- 2段擁壁になっている
- 再建築不可・建築不可
- 駅までの距離が遠い
- 利便性が悪い立地にある
上記のような不動産は、査定上どうしても『資産価値が低い不動産』として取り扱われるので売れにくいです。
そのため、通常の不動産よりも販売活動を戦略的、かつ前向きに行ってもわわないといけません。
専属専任媒介は、不動産業者にとって媒介契約の中で一番厳しいルールになっています。
媒介契約のルール上、一番販売活動を行ってくれるので売却スピードが上がります。
そのルールを5つの理由に分けて伝えていきます。
レインズへの登録
まず、専属専任媒介の場合”レインズへ登録を必ず”行わないといけません。
レインズに登録することで、宅建協会に所属している不動産業者へ売却していることが周知されます。
周知されれば、情報を得た不動産業者がお客様に紹介してくれる仕組みになっているので、確率論として売却できる可能性が上がります。
囲い込みのリスク
続いて、囲い込みについてです。
囲い込みとは、専属専任媒介もしくは専任媒介で不動産を預かった業者が両手仲介を狙いたいがために”他の不動産業者からの紹介を拒む”ことです。
その性質上、資産価値が高い不動産だと、不動産業者の勝手な都合で”買ってくれる人がいるのに売れない”状況になることがあります。
ただ、資産価値が低い不動産の場合だと、両手仲介手数料を狙うよりも”売れることを優先”してくれます。
そのため、専属専任のメリットを利用した方がお得ということです。
報告義務
次に報告義務についてです。
専属専任媒介の場合、7日に1回以上の報告義務があります。
そのため、売主は細かく不動産の反響状況を知ることができます。
報告によって得られる情報
- 電話・メール・他社からの問い合わせ数
- チラシや広告などの掲載状況
- 不動産業者からの現状の説明
価格についての戦略
上記の説明の通り、専属専任媒介だと不動産業者から得られる情報が多いので、価格変更や条件変更などの戦略が取りやすいです。
市場にマッチさせるためには、情報量は多い方が確実に有利です。
あなたの状況だけではなく、不動産業者の本音部分まで知っておかないと、いつまでも売却ができなくなります。
不動産の価値が低い不動産であればあるほど、不動産業者との連携や情報収集が大事にあるので、戦略が取れる専属専任媒介契約が良いでしょう。
ポータルサイトへの掲載
最後は、先程の戦略にも繋がってきますが、専属専任媒介は”依頼する不動産業者が1社”しに限られます。
そのため、販売活動の動きを把握することが用意になります。
不動産業者側としても、自社が動かないと販売報告などができなくなってしまうので、価値の低い不動産であってもSUUMOやアットホームなどのポータルサイトにも掲載してくれます。
今の時代、インターネット社会なのでポータルサイトへの掲載をしないと売れないです。
後ほど詳しく解説しますが、一般媒介だとレインズへの登録は任意ですし、報告義務もありません。
自分が保有する不動産に対して”価値が低い”と判断するのは覚悟が必要ですし、大変なことです。
ただ、不動産を売却するためには知識が必要ですし、媒介契約のルールや不動産業者の本音を知っておかないといけません。
トータルで見ると、不動産の価値が低い不動産を所有しているのであれば、専属専任媒介契約で進めていきましょう。
専任媒介契約を選ぶ時
2つ目は専任媒介契約を選択するときです。
不動産査定を行った際、あなたの不動産が他の物件と比べて”同レベルの価値があると”感じる場合は、専任媒介を選びます。
資産価値を調べる方法
- 近隣の事例を調べる
- 不動産業者に査定してもらう
- 近くに似たような不動産が売り出されている
不動産というのは、路線価や過去の事例を参考にして価格を出しています。
そのため、周りに比べて価値が高いと思わないが、低いとも思わない場合は専任媒介が良いでしょう。
専属専任媒介と似ていますが、やや違う箇所もあります。こちらも5つの理由で解説していきます。
レインズへの登録
専属専任媒介と同様、専任媒介も”レインズへ登録を必ず”行わないといけません。
レインズに登録することで、宅建協会に所属している不動産業者へ売却していることが周知されます。
周知されれば、情報を得た不動産業者がお客様に紹介してくれる仕組みになっているので、確率論として売却できる可能性が上がります。
囲い込みのリスク
続いて、囲い込みについてです。意味合いは専属専任の時と同じです。
囲い込みとは、専属専任媒介もしくは専任媒介で不動産を預かった業者が両手仲介を狙いたいがために”他の不動産業者からの紹介を拒む”ことです。
資産価値が高い不動産だと、不動産業者の勝手な都合で”買ってくれる人がいるのに売れない”状況になることがあります。
しかし、資産価値が他の資産と同レベルの場合だと、両手仲介手数料を狙うよりも”売れること”を優先してくれます。
とはいえ、資産価値が低いわけではないので、不動産業者によっては囲い込みをしてきやすくもなります。
見極めは非常に難しいですが、囲い込みのリスクよりも他のメリットを取る方が良いと考えます。
報告義務
次に報告義務についてです。
専任媒介の場合、14日に1回以上の報告義務があります。
そのため専属専任媒介ほどではありませんが、ある程度、不動産の反響状況を知ることができます。
報告によって得られる情報
- 電話・メール・他社からの問い合わせ数
- チラシや広告などの掲載状況
- 不動産業者からの現状の説明
価格についての戦略
専任媒介は定期的に情報が入ってくると伝えました。
しかも価値的に売れる可能性が高いので、反響数が多くなる傾向があります。
そのため、専属専任媒介よりも情報量が大きくなりやすいです。
情報量があれば、価格変更や条件変更など、今後の戦略も取りやすくなってきます。
ポータルサイトへの掲載
専属専任媒介と同様、専任媒介は”依頼する不動産業者が1社”に限られます。
資産価値的にも反響がなりやすいですし、1社しか宣伝ができないことを考えると、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトにも掲載してくれます。
ちなみに、一般媒介だとレインズへの登録は任意ですし、報告義務もありません。
自分が保有する資産が周囲と比べて同じレベルであれば、専属専任のように厳しくない、ただしっかりと販売活動をしてくれる専任媒介がおすすめです。
一般媒介契約を選ぶ時
3つ目は、一般媒介契約を選択する時です。
不動産を売却する時、自分の不動産が他の物件よりも”確実に価値がある”感じる場合は一般媒介を選びます。
価値が高い土地の特徴
- 整形地
- 高低差がない
- 角地
- 駅からの距離が近い
- 適切な坪数
- 主要な市町村にある
基本的に、資産価値が高い物件は”市場に出せばすぐに売れる”傾向があります。
そのため、どんな不動産業者であっても”売りたい気持ちが強く”なります。
そして、その気持ちをより活発にできるのが一般媒介ということです。
そのあたりを5つの理由に分けて伝えていきます。
レインズへの登録
一般媒介の場合、レインズへの登録は任意です。
ただ、一般媒介では複数の不動産業者へ依頼することができます。
資産価値が高い物件は契約できる確率が上がりますし、一般媒介だと他社で決まると1円も入ってきません。
そのため、少しでも売却できる確率を上げるために、黙っていてもレインズへ登録してくれます。
囲い込みのリスク
専属専任や専任媒介と違い、一般媒介は複数の不動産業者へ同時に依頼することができます。
そのため、前提として囲い込みのリスクがありません。
先程の繰り返しになりますが、資産価値の高い不動産はすぐに売れるので、むしろ片手仲介になってでも自社で仲介をしたいと考えるでしょう。
報告義務
一般媒介の場合、報告義務がないので、報告が入らない可能性はあります。
ただ、資産価値が高いと他社の動きが気になってくるのが不動産業者の本音です。
そのため、報告を行いながら、他社情報の収集をしてくる可能性が高いので、一般媒介でも定期的に連絡が入ってきます。
価格についての戦略
資産価値が高い不動産の場合、価格を下げる前に買付が入ることが多いです。
万が一、買付が入らない場合でも反響に関する情報は集まっているので、戦略はとっていきやすいです。
ポータルサイトへの掲載
ポータルサイトについては、レインズと同じ原理で、自社で仲介をしたいという心理が働くので、確実に掲載してくれます。
なぜなら、一般媒介だと他社で仲介されると1円も入ってきません。
ただ、不動産価値の高い不動産は、反響も多いですし、買付までのスピードが格段に違います。
不動産業者もかなり力を入れてくれるので、安心して複数の不動産業者に依頼しましょう。
ただし、これはあくまでも不動産の価値が高い場合に限ります。
どうしても、上記で説明した通り。、資産価値が低い不動産だと広告宣伝費はかけてくれないので注意しておきましょう。
まとめ
今回は、500件を超える不動産取引をしてきたプロの私が”不動産の所有者ならこの媒介を選ぶ”という話をしました。
専属専任媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件と比べて”価値が低いと”感じる場合
専任媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件と比べて”同レベルの価値があると”感じる場合
一般媒介を選ぶ時
- 自分の不動産が他の物件とよりも”確実に価値があると”感じる場合
媒介契約を選ぶ5つの理由
- レインズへの登録
- 囲い込みのリスク
- 報告義務
- 価格についての戦略
- ポータルサイトへの掲載
実際に私が、不動産屋として様々な売却のお手伝いをさせてもらった中で出した答えなので”これから不動産を売却しようと思っているあなた”に少しは役立つのではないでしょうか。
売却をするという1つの選択の中には、様々な方法があります。
しっかりと理解した上で、あなたにあった売却方法を選べるようにしておきましょう。
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